逆転の発想か本末転倒か

ホットチョコレートの空き缶

別にデザインに関わる仕事をしているからというわけではない。

ただ意匠が気に入ると、その実ゴミでも捨てられないものというのはある。特に空き箱空き缶の類は、なまじ実用できなくもないから尚更に捨てられない。だいたい、身辺を綺麗に保ちたいならまずはモノを捨てることである。だから、最近はどんどん捨てることにしている。それでも小さくて綺麗な空き缶なんかはやっぱり惜しい。

たとえば、もらったホットチョコレートの空き缶にクリップや輪ゴムなんかを入れて机の上に飾っている。飾ることが目的で、クリップや輪ゴムは口実である。こういうのを本末転倒というか逆転の発想というかは好みの問題である。当事者たるぼくは当然後者を主張しておきたい。気に入った置物が実は収納にも使えるというのは、案外に悪くない考え方ではないか。

すると、デスク周りに限っても色々と面白いものが作れるような気がしてくる。Mac Book Pro の形をした書類ケースだとか、古い洋書のフリをした外付けハードディスクだとか、レトロなジュークボックスみたいなメディアケースだとか、そんなものが仕事場のデスクを飾っているところを考えるとなんだか楽しい。

普段、Webのことなど考えていると、ふと、プロダクト関係の人が羨ましくなることがある。もちろん、大変な仕事なんだろうし、思うようにいくことばかりなわけはないのだけれど、手に取れるというのはいい。お気に入りの空き缶など眺めていると、単純にそんなことを思う。今更な感慨ではあるけれど。